ロバート・パーカーはアメリカはボルチモア生まれのワイン評論です。パーカーポイント(PPポイント)って聞いたことないですか?ワインを100点満点の採点方式を発案し、価格や生産地に影響を受けない客観的な評価で、ワイン界では重要な指標となっています。
今回は、そんなロバート・パーカー氏についてご紹介していきます。
【ロバート・パーカーとは?】世界で最も影響力のあるワイン評論家(PPポイント)
経歴
パーカー氏は1943年にアメリカのメリーランド州で生まれました。ソムリエでも醸造家出身でも実はありません。地元のメリーランド大学で歴史と美術史を学び、その後なんとメリーランド法科大学院に進み難関の司法試験に合格してしまいます!その後11年間弁護士として仕事を続ける一方で、1975からワインに関する記事を書き始め、1978年に「ワイン・アドヴォケイト」を刊行するに至りました。
その後は、安く無名のヴィンテージワインにパーカー氏が一人が可能性を見出すなど、その客観的なワイン採点方式が話題を呼びます。
「ワイン・アドヴォケイト」は一切の広告を掲載しないことも特徴で、パーカーポイントが公平で客観的なジャッジであるとの評価が高まる一因にもなりました。
パーカー・ポイントの特徴
パーカーポイントは100点満点で、熟成時、瓶詰時、瓶熟成後といったように何回もの試飲によって評価しています。そのため、その都度点数が変更になることもしばしばです。
パーカー氏の好みはリッチで凝縮された味わいとされており、こういったワインが点数が高めになりやすいと言われています。高いポイントを獲得するために味わいをより濃厚にするべく「パーカリゼイション」という言葉も生まれました。
また、パーカー氏は何でもかんでもワインを評価するわけではありません。雑誌「ワイン・アドヴォケイト」が評価に値するとしたワインになってはじめて採点が開始され、まず基礎点として50点が与えられます。残り50点は、色・外見で1~5点、香り1~15点、味わい1~20点、将来性1~10点の内訳になっています。
また、それぞれ点数によってランク分けがされ、100点~96点が「格別」、95点~90点が「傑出」、89点~80点が「かろうじて並以上から優良」、79点~70点が「並」、69点~60点が「並以下」となっており、大雑把に85点以上が「本当にいいワイン」とされています。
この点数は、価格やブランドには左右されないため、安価なワインが高得点をたたき出したり、逆に有名ワイナリーのワインが点数が伸びないこともよくあります。
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パーカー・ポイントの影響
「ワインの値段をも大きく左右する」
パーカーポイントはワインの値段にも絶大な影響を与え、高得点がついたワインは価格が上昇する傾向にあります。この傾向は嗜好性が強いワインに特に顕著で、たった数年の違いにより価格が2倍以上違うということも。もちろん、出来のいいヴィンテージ(生産年)ということもあるでしょうが、このパーカーポイントが影響している面も大きくなっています。
ボルドーのシャトーではPPの発表を待ってから販売価格を決めるという動きもあるそうです。日本では山梨県甲州市の中央葡萄酒の「グレイス甲州キュベ・ドゥニ・ドュブルデュー2004」で88点を獲得しています。
甲州・キュヴェ・ドゥニ・デュブルデュー[2006]年・中央葡萄酒株式会社
パーカー・ポイントはあくまで目安に
ワイン界では絶大な影響力を持つPPですが、ワインはあくまで嗜好品。ワイン初心者にとっては目安となりますが、ワインは自分の舌で判断するのが一番良い方法です。
パーカー氏も「消費者自身の舌にとって代わるものは決してなく、また消費者自らがワインを試飲すること以上によい味覚の訓練もあり得ない」との言葉も残しています。
正確で影響力のある指標といえど、味覚はひとそれぞれです。迷ったときの参考とする程度にしておくのが良いPPの利用の仕方であるといえます。
まとめ
いかがでしたか?よく通販でワインのポップにもパーカーポイント◯点と書いてありますが、これのことなんです。ワインって好みが色濃く出ると思うので、客観的な点数付けって難しいと思うんですけどね?。逆にパーカー氏と好みが同じであれば絶大な信頼を置いていいポイントかもしれませんね!